標本というと、皆さんどんなイメージを持つだろうか?
理科室の実験室にある、カエルのホルマリン標本?
地学室にあるアンモナイトの化石?
世の中には色んな標本があるけど、今回紹介するヒトデの乾燥標本はアンモナイトの化石みたいなイメージ。ヒトデの体は硬い殻に覆われている(*1)ようなものなので、乾燥標本にしやすいのである★
嫌がられるヒトデもあっという間に素敵なオブジェクトとして部屋に飾れてしまうのだ!
では、門外不出と言われたヒトデの乾燥標本の作り方をここに紹介しよう
(`・ω・´)!
もちろん、門外不出というのは嘘だが!
けど、その前にちょこっと標本というものの解説をしてみよう。
標本とは研究対象の生物を時間が経った後も観察したり、調べたりするようにするように保存しておくものである。しかし、そのままでは保存できない。放っておくと腐っていったり、形が崩れていくので、それを止めるためにホルマリンやアルコールで固定(生きてる時の状態に近い形で変化しないようにすること)するのである。
実験室で見かける、カエルをホルマリンで浸けた状態で固定することを【液浸標本】と言う。逆に、体がしっかりとした生物、例えば、昆虫などは乾燥させただけでも標本になり、これを【乾燥標本】と言うのである。
この乾燥標本、昆虫ではそのまま乾燥させればOKなのだが、ヒトデは乾燥させるだけだと、体の内部が腐ったりして非常に臭い…一応、乾燥標本にはなるけどね(´ヘ`;)
なので、一度、ホルマリンやアルコール(高濃度のもの。研究室では70%アルコールを使用)で、内部を固定してから乾かすという方法をとっていた。
大まかに、説明しましたが、乾燥標本の作り方の説明でもしましょう。
1.ヒトデをゲットする。
これをしないと始まらない。気持ち悪くても、捕まえるのです。「海に潜って捕まえれない~(TдT)」という方は、釣りをしている人の近くをウロウロしましょう。たまにヒトデが釣れて(モミジガイあたり)、投げ捨てられるので、その前に声を掛けてゲットするのです。
2.ホルマリンやアルコールにヒトデ全体を浸ける
ヒトデを腐らないように固定するために、ホルマリンやアルコール(70%以上)に体全体を浸します。ヒトデの大きさにあった入れ物が必要です。入れ物は底の平らなものが良いです。その方が綺麗な標本を作れます。
蓋があると便利ですが、なければサランラップなどで蓋をできれば大丈夫です。
ホルマリンは劇薬なので、入手が難しいので、アルコールの方がいいです。薬局とかでも売ってるはずです。
無ければ、ここで購入できます:(*2)無水エタノールP 500ml
3.浸透するまで放置する
ヒトデの大きさにもよりますが、直径10cmくらいのヒトデなら2-3日で十分でしょう。ひょっとしたら1日でいいかも。しかし、固定が足りないと、乾燥させる途中で腐ったりするので、注意。
4.乾燥させて完成
ヒトデを固定液から出して、乾燥させる。管理人の場合は、ヒトデが入る箱を用意し、下に新聞紙を敷いて、その上にヒトデを置いていた。ホコリが被らないように蓋をずらしてかぶせておく。直射日光には当てない方が良い…らしい。
何日か乾燥させて、特に腐った臭いがしなければ完成です(・∀・)ノ★
ちなみに、アルコールで乾燥標本を作ると、ヒトデが漂白されてしまうので、白くなってしまいます。ホルマリンだと色が残りやすいです。でも、時間が経つと、結局白くなってしまいます。管理人の乾燥標本はそうでした。せっかく綺麗な赤色のアカモミジヒトデを採集し、ホルマリンで乾燥標本を作ったのですが、5年くらい経つと白くなってしましました(^^;
まぁ、白色でも素敵だからいいです。
一度、乾燥標本を作ると、踏んづけて壊さない限りずっとオブジェクトとして、部屋を彩り続けるので素敵です。彩り続けるかは作った方のセンスしだいですが(´∀`;)
そんな訳で、皆さんもレッツ乾燥ヒトデ!(・∀・)ノ★
*1:ヒトデの体は硬い殻に覆われている
正確には殻ではなく、昆虫のように外骨格(骨で体を覆っていること)ではない。むしろ、人と同じ内骨格であるが…ここでは、難しい話はせず、イメージしやすいように殻に覆われていると表現しています。
*2:アルコール?エタノール?
厳密には違うようですが…管理人はあまり気にしていません。とりあえず、固定できれば大丈夫です。
リンク先のAmazonのアルコール(エタノール)は濃度が99%なので、少し薄める必要があります。水1/4、アルコール3/4くらいで薄めれば大丈夫です。適当でも案外大丈夫です(^^;
色んな標本が作りたいという方は左の「標本の作り方」がベスト!色んな標本を家庭で作れるテクニックが満載。
乾燥標本のマニアックな話や博物館が好きな人は左の「乾燥標本収蔵1号室-大英自然博物館迷宮への招待-」。博物館の変人・奇人の話が満載で読み応えアリの一冊。