ニッポンヒトデ
学名:Distolasterias nipon

富山湾で採集
分類
キヒトデ目 Forcipulatida
キヒトデ科 Asteriidae
名前が素敵な【ニッポンヒトデ】。
ニホンではない所が命名者の粋な思いを勝手に感じてしまいます。
学名もniponです。
ニッポンなので、本来は「nippon」が正しいのですが…命名規約で訂正できずにそのまま使われているらしいです。
体色は黒色や黒褐色、青緑色をしているものが多く、富山湾で採集したニッポンヒトデも地味な感じの黒色です。
エゾヒトデと同じように、腕の中心線に沿って縦線があります。
この縦線はエゾヒトデより目立つ傾向にあるようです。
参照:【エゾヒトデ】のページ
大型のヒトデで、R=250mmほどになる個体もいます。
カキや帆立貝の養殖場を荒らす事がある。。。
分布:本州中部以北、北海道までの太平洋、日本海
生息する水深の記録は辞典には載っていませんでしたが、富山湾ではおそらく300m以深に生息すると思われます。
(ヒトデを貰っている漁船の漁場からの推測です。)
タコヒトデ
学名:Plazaster borealis

タコヒトデ
分類
キヒトデ目: Forcipulatida
キヒトデ科: Asteriidae
体の大きさによって異なりますが、20~40本くらいの腕の数になるそうです。
管理人の後輩が北海道まで行って、大量に採集し研究室に持ち帰ってきたのですが、水槽に入れておくとウニや他のヒトデなどが居なくなっていました…。
非常に貪食な肉食のヒトデです。
北海道での様子を、後輩に見せてもらったのですが…
水槽に溢れんばかりのタコヒトデになってました。

タコ部屋
非常にカオスです(゚д゚)!
……
ヒトデ…というよりエイリアンに近い生物…?(´∀`)
下のような生物が夜に空中を浮いていたら、管理人は間違いなく逃げる。全力で。
(ぜひ想像してみてください。)
分布:北海道周辺海域、本州北部太平洋岸。
参照:日本陸棚周辺の棘皮動物
エゾヒトデ
学名:Aphelasterias japonica
赤褐色の個体(R=152mm)
分類
キヒトデ目: Forcipulatida
キヒトデ科: Asteriidae
5腕で、腕の基部がちょっとくびれている。
赤褐色や暗褐色の個体がよく見つかり、腕の中心線に沿って縦線があるものが多い。
恥ずかしがり屋なヒトデで、岩礁などに隠れており、タコ壺の中にも居たりするようです。
300m以深の富山湾でも、稀に採れることがあります。
くびれを持つスリムな体型なのに、非常に大食いでカキや帆立貝などの養殖場を襲ったりする。
(´ヘ`;)
分布:北海道、富山湾、東京湾、日本海西部(114m)、サハリン。
参照:日本陸棚周辺の棘皮動物[上]
・エゾヒトデ
ヤツデヒトデ
学名:Coscinasterias acutispina

8腕のヤツデヒトデ
分類
キヒトデ目: Forcipulatida
キヒトデ科: Asteriidae
ヤツデヒトデは7~10本の腕を持っているヒトデです。
画像が…なんだかタランチュラみたいです(´▽`;)。
名前の通り、8本腕(八ツ手)の個体を見つけると、何か良い事が…あるとかないとか?
腕は非常に取れやすく、ちょっと力を入れると腕の付け根から取れてしまいます。
体外には小型の巻貝ヤドリニナ、体内にシダムシという生物が寄生することがある。
外側も内側も寄生されてしまう悲しいヒトデちゃんです(;_;)
本州中部以南、四国、九州などで見つかっている。
潮間帯やタイドプールの転石の下などで多く見られます。
大学時代に、秘密のヒトデ採集スポットでよく見かけたヒトデです。
…が、台風で流木・ゴミなどが流れ着き、環境が変わってしまったためか、その採集スポットから姿を消してしまった。
本種は【分裂】で増えていきます。
なので、分裂直後の↓左のような個体を見つけることがあります。

左:分裂したヤツデヒトデ 右:分裂してないヤツデヒトデ
※↑乾燥標本
ホソコトゲヒトデ
学名:Lethasterias acutispina
分類
キヒトデ目 Forcipulatida
キヒトデ科 Asteriidae
四国の海にある南海トラフ600m以深で見つかったヒトデ。
同じ大学で海洋研究をしている研究室から提供してもらった、大学時代最後に調べた思い出のヒトデ。
非常にレアなヒトデで、1973年に相模湾での新種報告の時から、発見されてこなかったヒトデ。
実に30年ぶりに見つかった。
正直、何もわかってないヒトデ。
とりあえず、自分の調査で分かったことは、
11月(採集した時期)は非生殖期
相模湾以外に、南海トラフにも生息する
って事くらいかな…
ありがたいコメント